2026/10/27 22:22
ART × LIFE|暮らしと美術
文・構成:ライフエッセンシャルズ編集部
部屋の印象を変えたくなったとき、家具を買い替える前に、壁に一枚の作品を迎えてみる。ロナン・ブルレックのドローイングには、そんな小さな模様替えから付き合いを始めたくなる魅力があります。
曲線が幾重にも重なり、遠くからはひとつの大きな形に見える。近づくと、細い線の流れに目がとまる。作品だけで完結するのではなく、椅子や棚、カーテンのそばで眺めると、部屋の中に新しいつながりが生まれます。
家具の直線に、曲線のリズムを添える
棚の天板、テーブルの脚、窓枠。いつもの部屋には、思いのほかたくさんの直線があります。そのそばにブルレックの有機的な線を置くと、家具の輪郭と絵の輪郭、その違いが見えてきます。
たとえば《DRAWING #4》の青みを帯びた線。木の家具の横に置けば、木目のあたたかさと、線のひんやりとした色が互いを引き立てる。すべてを同じテイストに揃えなくても、曲線と直線がひとつの場所で心地よく共存します。
部屋の色を、ひとつだけ拾ってみる
作品の色を部屋じゅうに繰り返す必要はありません。クッション、布、器。画面の中の色に近いものを、ひとつそばに置く。それだけでも、壁の一枚と家具のあいだに視線の通り道ができます。
青やグレーの作品なら、生成りの布や明るい木と合わせてみる。色の差を楽しみたい日は、濃い木の棚や、少し赤みのある陶器をそばに置く。これは正解を決めるためのルールではなく、手元にあるものから試せる編集部の提案です。
余白を残すと、いつもの場所が見えてくる
作品のまわりを飾りすぎず、壁を少し空けておく。棚の上に置くものも、器ひとつ、読みかけの本を数冊くらいに。空いている場所があると、線の密度と紙の余白をゆっくり眺められます。
飾る高さは、立ったときだけでなく、いつもの椅子に座って確かめてみてください。朝、カーテンを開けたとき。夜、部屋の明かりをつけたとき。暮らしの中で自然に目が向く場所が、その一枚の居場所になっていきます。窓からの直射光を避け、映り込みの少ない位置を探すと、細い線も楽しみやすくなります。
壁から床へ。新作ラグ「ma」が楽しみな理由
この秋、ブルレックの仕事を暮らしとの関係から眺める機会があります。ミナ ペルホネンの公式案内によると、ロナン・ブルレックとの新作ラグ「ma」が、2026年10月31日からLICHT galleryの企画展で紹介されます。
両者は約3年前から、暮らしにどんな喜びの色を添えられるか、素材や職人への敬意をどうかたちにできるか、対話を重ねてきたといいます。
壁に掛けるドローイングと、床に敷くラグ。置かれる場所や素材は違っても、どちらも日々の視線や身体の近くにあるものです。今回の発表をきっかけに、作品を単独で選ぶだけでなく、家具や布、光との関係から眺めてみる。そんな楽しみ方が広がりそうです。
展覧会のご案内
「ロナン・ブルレック」企画展
2026年10月31日(土)〜11月22日(日)
13:00〜18:00/火・水曜定休
LICHT gallery:東京都目黒区青葉台3-18-10 カーサ青葉台2F
11月7日(土)には、ロナン・ブルレックと皆川 明によるトークイベントも予定されています。参加は事前予約制です。最新の開催・申込情報は主催者の公式案内をご覧ください。
ミナ ペルホネン公式|新作ラグ「ma」と企画展の案内
暮らしに迎える一枚を探す
今回、線と家具の関係を考える手がかりにしたのは、ロナン・ブルレック《DRAWING #4》。作品の全体像と取り扱いの詳細は、Tokyo Poster Diaryの商品ページで紹介しています。
Ronan Bouroullec《DRAWING #4》
暮らしに馴染むとは、目立たなくなることではなく、毎日見てもまた目を向けたくなること。ブルレックの線を眺めながら、私たちはそう考えます。
あなたなら、いつも座る場所の正面に飾りますか。それとも、部屋に入って最初に見える壁を選びますか。
Life Essentials|なくても生きられる。でも、あることで人生が少し豊かになるもの。
ライフエッセンシャルズ編集部/Tokyo Poster Diary
作品の詳細:
